デミオについて

マツダDEMIOのある暮らし。

ロードノイズ対策のポイント

ロードノイズを減らす・遮る対策について実験してみました。

 

A:フロア

施工に伴う脱着部品が少ない事と、後輪が近いと言う理由により、トランク部分へ制振材を施工して評価した。

荷室床面へ、積水化学 カルムーンシート及び大建工業 粘着遮音シート100Nを取り付けた。

カルムーンシート施工後は、「シャー」というロードノイズが明らかに減少している。

一方で、アスファルト及びゴムで構成された遮音シートを追加したとき、カルムーンシート単体施工との差異は認められなかった。

以上のことから、フロア全体へカルムーンシートを取り付ける事とした。

 

B:ホイールハウス

フロント部はスペース的に作業できないので、リアホイールハウスにおいて評価した。

カルムーンシートを取り付け、車外との換気用トンネル部に3Mシンサレートを取り付けた。

明らかなロードノイズ低減を認める。

当部位内装材へEPDMや発泡ウレタン系吸音材を取り付けると、更に静音を見込める。

 

C:Bピラー

シートベルト装置及び、TOPにエアバック装置があるので、下部に限って制振材及び吸音材を設置し評価した。

 

剥がれ等によりシートベルトと干渉しないよう十分な養生を行った。

なお、3Mシンサレートは、人の耳で感じられる様な吸音効果が無い。今回は断熱目的で取り付けている。

耳に近く、効果の高い部位である。

 

D:天井

天井でのロードノイズ対策はほとんど不可能で有る。

とても大きな効果を見込める、天井全面を吸音構造とする改造には、トップシーリングを大きく切断しなくてはならず、やってみたが無効であった際に原状復帰が困難である。

本当ならば高密度グラスウールを内蔵し、トップシーリングを切り欠いてサテン地で仕上げたい。

今回は断熱と雨音を殺すことに注力した。

天井の70%面積へカルムーンシートを取り付け、断熱材としてシンサレートを敷き詰めた。

なお、結露については配慮していない。

効果は抜群であり、雨音の高音成分がほとんど無くなった。

一方で、ロードノイズに対しては全く無効である。むしろ、柔軟性のある天井材と背後空間を利用した吸音構造だったと考えられる機能を殺したことにより、低音域での騒音は増しているかも知れない。

ただ、実走行においては、ロードノイズの変化を感じ取ることは不可能であった。

 

D:リアハッチ

リアハッチへカルムーンシートを取り付け、吸音材を詰め込み、評価した。

 

上部にある、この小さなスポイラー部から、とても大きな騒音が出ている。

深いプレスだからか、肉厚が薄く、振動により騒音を発している。

走行時に剥離した気流がぶつかったり、後部の圧力変動を受けることによるのだろう。また、雨音がとても大きい。

カルムーンシートを取り付け、シンサレートを詰め込んだ。

効果は抜群である。

デミオの騒音対策において、フロアと当部位以上に良い成果が得られた箇所は無い。

リアハッチ下部である。

メーカーエンジニアも、この部分については制振材を取り付けてきている。

しかし、カルムーンシートを増設することにより、明らかな騒音低減効果を得られた。

ただ、設置の手間を考えると、ユーザーが手間を掛けて制振材をアップグレードするほどの価値は無く、メーカーでの対応で十分と考えられる。

 

D:ドア

フロント・リアのドア4枚へ、制振材及び吸音材を設置し、評価した。

ドアヒンジ部へカルムーンシートを取り付け、ドア中央部へレアルシルトを取り付けた。

レアルシルトはカルムーンシートの派生品で、曲面へ良くなじむので用いた。

一方で、制震性能はかなり劣るが、ドア内部と言うこともあり、脱落しにくいレアルシルトをメインとした。

内装材の裏へはシンサレートを取り付けたが、これは断熱目的である。

これら全て、オーディオ音響的にはどうであったかわからないが、ロードノイズという点では無効であった。

一つ取り付けては走行するという手順を踏んだが、ドアヒンジ付近へカルムーンシートを取り付けたところ、ロードノイズの減少を認めた。

これはスピーカーホールから手の届く部位であり、比較的容易に設置できるが、そこまでして行う対策とは考えられない。

 

E:バルクヘッド

エンジンルーム側上部へカルムーンシートを取り付け、評価した。

車内側からは手が届かない部分であるが、エンジンルーム側ワイパーを取り外せばアクセス可能。

カルムーンシートを取り付け、高温になることから、テープで補強した。

雨水とウォッシャー液が流れる雨樋であることから、テープには防錆材である三井鉱山 ZAPテープを用いた。

実走行において、効果は全く認められなかった。

当部位の騒音対策は相当に入念な作業を必要とする壁の二重化が必要であり、今回の様な対策は無効である。

車内側のフェンダー部へと続く部位。

取り付けられている機器のために、部分的に遮音されていない。

50mm厚の発泡ウレタン系吸音材を取り付けた。

全面に施行することは困難であり、100mm×50mm等、小さく切断した物を複数貼付け、面をカバーした。

とても作業性が悪い。

ロードノイズに対し、とても効果的であった。

元々、アテンザ以上に防音対策をされてあったが、サイド部分が抜けているなど、もう一歩頑張ってくれるとありがたい。この部分は大きな効果を得られるだけに残念である。

 

F:シャーシ

各部へカルムーンシートを取り付けたが、ナンバープレートを取り付ける前に工事を行ったため、効果を確認できていない。

 

G:フロントフェンダー

フロントフェンダーの末端にある遮音材の隙間を埋め、評価した。

エンジンルームの音を遮る目的で遮音材が取り付けられている。

しかし、隙間が大きいので、EPDMを用いて塞いだ。

20mmのEPDMを詰め込んだので、遮音効果は見込める。

しかし、感じられるほどの変化は無い。

気分的なものであるが、メーカーできちんと塞いでくれるとありがたい。

 

H:ドアのウェザーストリップ

EPDM製のモールを用いて、ウェザーストリップを2重化し、評価した。

基本的な事であるが、有効である。

 

I:サイドウィンドとサッシ部の段差(作業予定)

窓ガラスとサッシ(ゴム部)の段差が大きく、車自体がミドルノーズ形状であることもあり、100km/hといった高速走行時に空力騒音が大きい。

粘着テープを用いた実験では、明らかに良い変化がある事から、靴のかかとを修理するようなゴム状のパテを用いて、なだらかに仕上げると騒音は減少するはずである。

また、ドア上部に吸い出し音を防止するパッキンが取り付けられているが、ドアを閉じたときにV字型の凹みとなってチリに存在する。

凸型にして、ドアを閉じると隙間を段差無く塞ぐ様な形状であることが望ましい。